初仕事?

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「遠いから時間かかるよ。電車だと早いけど、この格好じゃ、乗れないから。」 「いや、知らない街をドライブするのは嫌いではない。」 「そう?まあ、観光とは言えないけど、通りながら、気になるものがあったら言ってね。わかるものは紹介するから。」 「ああ。」 パーティー自体が早く始まったので、まだ9時前で、時間は充分ある。 横で、さすがのリューも疲れたのか、ふーっと息を吐いてタイを緩める。 何から何まで絵になる男だ…。 感心するくらい。 これで、性格がもうちょっと良かったらねぇ…。 「…なんだ?人の顔をジロジロ見て。」 「別に。」 「なんだ、夜の相手をお願いされるのかと思ったぞ。」 ハハハとリューは声を立てて笑った。 「はいはい……ほら、ハイヤー来たわよ。」 ハイヤーのスタッフがこちらに寄ってきて、目の前に止まった車のドアを開ける。 車に乗り込み、行く先を告げる。 「ちょっと遠いんですけど…」 説明し終わると、私は背をソファーにもたれさせた。 横に同じように背もたれに身体を預けたリュー。 車がゆっくりと動き出す。 リューの長身では、広いハイヤーの車内が小さく見える。 私も女性としては大きい方なので、普通のタクシーではせまく感じると言われたりするのだが。 クスクス笑うとリューが不思議そうな顔をした。
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