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夜、旅の男は噴水広場で腰を下ろして沈んでいた。武器を新しく慎重しないと家族の下へ帰れないらしい。陰から覗いていたギュウとスヨンは、ゆっくりと男へと歩み寄るった。男が沈んでいた顔を、近づく二人へと見上げると、ギュウが話す。
「おじさん、ショッピングセンターの一件見てましたよ。武器屋を探してるんですよね。」
その問いに男は力無く返す。
「そうだ。…だがこの街には昔みたいに武器屋がないそうだ。…このままでは家族のところに帰れない。」
はぁ…男はうなだれる様にため息をつきながら下向く。
「ギュウさん、武器屋ならありますよね。」
「‼」
聞き間違いではないのだろうか。男は一瞬体が動いたが、動揺を隠していた。
「あるなぁ。あそこに行けばな。」
「‼‼」
男が勢いよく顔を上げる。
「ほっ本当にあるのか⁉だっだったら私に教えてくれ‼頼む‼‼」
「…良いけど報酬は先払いで貰うぜ。」
スヨンとギュウは顔を見合わせながら返す。
「先払いだと⁉その情報が嘘の可能性があるから報酬をやるとしても後払いだ‼」
男が二人の条件に驚く。
「大丈夫。そんなに高額な報酬には興味ない。あれを俺達にご馳走してくれたら、場所を案内するぜ。」
ギュウは親指で後ろの自販機を差した。男は立ち上がり、自販機を見ると、そこにはラーメン缶と書かれたのが売っていた。
「……これくらいで良いなら先払いしよう。」
損をしてもさほど痛手を受けないと判断し、二人に報酬を先払いした。
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