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ギュウとスヨンはとぼとぼと片付けに入っている店が立ち並ぶアーケードの屋根がある商店街を歩いていた。その数歩下がった所で男はついてくる。二人は男に振り返る事なく、先へ先へと進んで行く。
「おいっ本当にあるんだろうな⁉」
痺れを切らし気味に男が話しかける。ギュウは振り返らず、
「大丈夫大丈夫。」
声だけで返事をする。
商店街の真ん中らへんに差し掛かると、二人は左の脇道へと曲がる。その道は段々と細くなり、暗さ、静けさに辺りは支配されて行く。男は不安になりながら後をついてくるが、とうとう我慢出来ず、
「おいっ‼」
「おじさん着いたよ。」
声を出した刹那、ギュウが振り返り、到着を男に知らせた。
目の前の建物を見ると、それは古ぼけた今は閉店している銭湯だった。しかも明かりがついていない。
「俺をだましたのか‼」
男は堰を切ったかの様にギュウを睨みつける。
「まぁまずは中を確認してから行って下さいよ。」
ギュウは平然とした口調で男に促す。
男は少しの沈黙を経て扉に手をかけた。
[がらがらがらがら]
思い引き戸を右へとずらすと、更に扉があった。男がギュウの方を向くと、ギュウは開けろと目で合図する。その間にスヨンが引き戸を閉める。暗闇の中男が扉の取っ手に手をかけて、引っ張った。
「~眩しい‼」
男は目がくらむ光に手を多い、光が馴染んでからそっと手を退けると、そこには神殿の様な場所が現れた。
中から一人のギャルソンが出てきて三人に一礼をする。
「ようこそ。武器屋ポッキードへ」
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