2人が本棚に入れています
本棚に追加
武器屋ポッキードの中は凄く絢爛豪華で、見る者を魅了する美しい造形である。ギュウとスヨンと旅の男はギャルソンの後を、首を右や左に振りながらついていく。
「ポッキードは相変わらず羽振りが良いみたいですね。」
ギュウがギャルソンに言葉をかける。
「お陰様で。」
ギャルソンは会釈し、言葉を綴る。
歩いて5分位経ったのだろうか。そこそこ奥まで来ると、ギャルソンが立ち止まった。目の前には大きな扉が視界に入る。ギャルソンが隣のボタンを押しながらマイクに口を近づける。
「お三人様お連れ致しました。」
[ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ。]
扉はゆっくりと内側に両開きされる。謁見の間の様な造りで一番奥の玉座に女性が座っていた。
ギャルソンが女性に一礼をし、ギュウ達に振り返って、
「こちらがポッキード当主ともたん様でございます。」
紹介される。ギャルソンはまたともたんに一礼をして、後ろに下がって行った。
「ようこそ我がポッキードへ。ここはインターネットで武器売買をしているので、生身のお客様は久しぶりでございます。」
当主ともたんは玉座から降り、ギュウ達の下へ近づく。
「私に武器を売って下さい‼」
今まで沈黙していた旅人が堰を切った様に嘆願する。いきなりの言葉にも動じず、彼女は冷静に話し出す。
「それは重々承知しております。ですが、私共は直接来ていただいた方には別のやり方で武器を提供しております。」
当主が指をさす方向を目で追うと檻の様な扉があった。
[ゴゴゴゴ…]
檻が開き、中から出て来たのはドデカいドラゴンだった。
「ドラゴンを倒していただく事、それが条件です。屋敷からは倒さないと生きては出られませんからね。」
「そっそんな…。」
はめられた‼という感じに表情が強張る旅人。
「おっさん、俺達もはめられた様な感じだし、手伝ってやるよ。前はこんな事しなかったのになぁ。」
渋々ギュウとスヨンも臨戦態勢をとる。
最初のコメントを投稿しよう!