第一話:始まり。

7/8

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
……コト…ン  ……コト…ン 少しずつ…また少しずつ出来るだけ足音や気配を殺して一歩また一歩暗い階段を降りて行く。奥に行くにつれて、暗かった色彩にぼんやりと明るさを増していく…。段々光が濃くなり当たりをも支配しそうになっていた。 ギュウは階段の終わりに近づいて一旦止まり、人の気配が無いか確認する。そして少し顔を出して今度は視界で認識する。周りに人やカメラがないことがわかり、抜き足で近くの部屋へとさっと入る。 これまた偶然にその部屋は倉庫で助かった。部屋に隠れないと両端に伸びている廊下では見つかるかもしれない恐れがあるのだった。 倉庫は見るからに使われていない机や椅子、ラック等で混在していた。ひょんな事に上を見上げると、これまたデブでもギリギリ入れそうな換気口を発見した。何かファンタジーみたいに旨く行き過ぎてるなぁと若干感じながら、倉庫に鍵をかけ、換気口の蓋を開けて腹這いに進んでいった。 どこに繋がっているのか分からないが、カネズキが何をしているのかを見てみようと思った。 当初の新作ゲームソフト奪還の目的なんて頭からすっぽり抜け落ちていた。image=60702406.jpg
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加