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バスから降りてまた全力疾走。
学校はそんな遠くはないので、すぐについた。
「……」
だがしかし、残念なことに始業式はすでに始まっているらしい。
体育館のほうから聞こえる校長の声が私の耳に虚しく響く。
まぁ棒立ちしてても仕方がない。
とりあえず学年が変わる時に必ずしなければならないことをしよう。
クラスの確認である。
校門付近にある紙をパッと見た感じ中学の友達が少なく、正直テンションがダウン。
だいたい琴美と違うクラスなんてあり得ない。
……それよりも何か理由を考えて体育館に行かないと。
私が思考を止め、さっさと体育館に行こうとしたとき――
「あ、澪ちゃん!」
小さな声が聞こえた。
「えっとぉ~…」
顔をクルッと回して苦し紛れの声を出す。
何故なら
「朝、電話してあげたのに見事に遅刻しちゃったね」
と言うことである。
わざわざ電話してもらったのに遅刻とは、何とも不甲斐ない。
「やっちゃった」
テヘッと語尾に星のつきそうな声を出して目の前の人物を見る。
この子は私の友達の一人、寺田 琴美(テラダ コトミ)。
身長は低くも高くもなく、栗色の髪を肩までのばしている。
性格面で言えばいつもは亀のようにノロノロしてるけど、やるときはやる子。
ちなみにたれ目が特徴である。
それと可愛いのに何故かモテない。ちなみに中学の部活は帰宅部。
そんな琴美はハッと顔を上げる。
「そう言えばクラスは何組だった?」
確か絶望を感じるクラスだったわな。まぁ簡単に言えば――
「知り合いが少ない」
「そ、そうなんだ……」
琴美は苦笑いした。
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