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「大丈夫だよ!太一君いるし」
琴美の指の方にはクラス割りの紙があって詳しく見るとそこには[西野 太一(ニシノ タイチ)]と書かれてある。
「アイツか……」
アイツについての詳しい説明はしたくない。強いて言うなら幼なじみだ。
「そう言えば琴美はクラスの友達に仲良い人いた?」
私が聞くと琴美はクラス表を見上げた。
数秒黙り込んだ後、琴美の顔が少し歪む。
「ダメかも」
「ダメだったのか……」
そんな感じに会話をしていると琴美が焦り始めた。
「わっ!もうこんな時間!放課後にまた!」
そう言って慌ただしく走る琴美。
私はクラスを確認したので急いで教室に向かった。
クラスに入った私の目にはそこら辺にか落書きされている黒板に目に写る。
なんとも普通な学校。
「よっ」
後ろから調子の良い声がかけられた。
振り向くと小さい頃から付き合いのある太一がそこにいる。
こいつも昔と違って元気なお馬鹿に育ったものだ。
あの時の面影一つ残ってない。
あぁ、それと太一はショートカットのバカだよ。一応書いとく。
みんな太一のことを、まぁまぁの池様と口をそろえて言う。ま、私にとっちゃただのバカだけどね。
「またいっしょのクラスだなぁ」
見た目からバカなそいつは軽々しく笑う。
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