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  章「なぁ卓!ここ…」 胸の鼓動に気付かれないように、彼に話しかけると…思ったより顔が近くにあって。 そのまま、じっと見つめられる。 章「…卓…?」 卓「章子……俺、章子の事好きや…」 背中にまわされた腕の力が強くなる。 ギターを置いて、向かい合わせになって。 静かな音楽室に…鼓動の音は二つ。 卓「俺と、付き合って下さい」 生まれてはじめてされた告白は…とてもシンプルなもので。 やけど、人と一緒にいてこんなにドキドキする事なんてなかった。 これが“惹かれる”って事なんかな。 やったら…答えはひとつ。 章「…はい」 私の返事に、卓は嬉しそうに微笑んで。 夕日に照らされた教室で、私達は最初のキスをした。  
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