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外に出ると自販機の光で周囲は薄明るかった。都会で真の暗闇などにそうそう出くわすことはないだろう。ポケットをあさり左の方から煙草の箱を見つけた。
「ふ~…」
足を止め、煙草に火をつける。煙がゆっくりと流れだす。
数回吸って前に投げる。見えない闇を蹴散らすように。
車に乗り込み、エンジンをかける。軽くアクセルを煽るとNAの軽やかなほう哮が響いた。
ハンドルを握り込むとわざとラフに走らせる。
闇から逃れるように、日常に潜り込むように…。
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