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その後、新生児室に入れられた赤ちゃんに、僕はガラス越しに語りかけた。
「君は本当に雪乃なの?
雪乃の誕生日に生まれてくるなんて…
そうとしか考えられないけどね。
僕は僕の生涯をかけて君を守っていくよ…」
病室に戻ると、香織はじっと窓の外を眺めていた。
「眠らなくて大丈夫なの?
香織、ありがとう!あの子を産んでくれて本当にありがとう。お疲れ様でした」
「やだ…どうしたの?パパ。
私ね、ずっと考えてたんだけど…あの子の名前、パパはなにかいい案ある?」
僕は…僕の中では実はもう決めていた。
でもそれは言えなかった。
「ん…まだ…かな。香織は?」
香織はパッと明るい笑顔を見せこう言った。
「私は、ユキにしたいな」
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