161人が本棚に入れています
本棚に追加
隣に座る女子高生の携帯を、横目で覗いた。
ブログを更新しているようだ。
女子高生の模範と言っていい程の可愛らしい文章が、次々画面に現れてくる。
ギラギラにデコレーションを施した携帯電話の数字の羅列を、これまたギラギラした彼女の爪が行き来する。
彼女の指は世話しなく動き、ある意味尊敬するに値した打ち込みの速度である。
「…なんすか?」
私の視線に気付いた彼女が、不機嫌そうな声で私を威嚇した。
真っ黒に縁取られた大きな目で、私を見る。まばたきする度に、まつ毛からバサバサと音が鳴りそうだ。
ふいっと顔を背ける。
この子逹って、なんでこんなに怖いんだろう。
苦手。
私だって、去年までは女子高生だったのに。
全然違う世界の人みたい。
見るからに現実が充実してそうな、彼女逹が妬ましい。
最初のコメントを投稿しよう!