現実の私、ネットの私。

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隣に座る女子高生の携帯を、横目で覗いた。 ブログを更新しているようだ。 女子高生の模範と言っていい程の可愛らしい文章が、次々画面に現れてくる。 ギラギラにデコレーションを施した携帯電話の数字の羅列を、これまたギラギラした彼女の爪が行き来する。 彼女の指は世話しなく動き、ある意味尊敬するに値した打ち込みの速度である。 「…なんすか?」 私の視線に気付いた彼女が、不機嫌そうな声で私を威嚇した。 真っ黒に縁取られた大きな目で、私を見る。まばたきする度に、まつ毛からバサバサと音が鳴りそうだ。 ふいっと顔を背ける。 この子逹って、なんでこんなに怖いんだろう。 苦手。 私だって、去年までは女子高生だったのに。 全然違う世界の人みたい。 見るからに現実が充実してそうな、彼女逹が妬ましい。
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