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水島学園。有名大学に多くの生徒が合格し、体育&文科系の部活も毎年とは行かないが全国大会へと駒を進める程の実力を持つ有名校である。
4月。今年も水島学園に多くの生徒が入学し、体育館では入学式が行なわれている。
『新入生の皆さん、入学おめでとうございます。水島学園は……』
校長の式辞に耳を傾けながら、まだまだあどけない表情をしている古田智美は目だけを動かしながら体育館を眺める。
ここが、兄さんの通っていた高校……。
かつて自分の兄が通っていた高校に進学を決めた智美。前から兄がここはいい学園だと言っていたので、受験勉強に勤しみ、無事合格を果たした。もちろんそうでなくてはいけなかった。智美はどうしてもこの学園に入学したかったのだから。
入学式はつつがなく終わり、教室に戻ってくると担任から簡単な注意やプリントなどが配られ、目を通せばこの学園で生活する上でのルールが一通り書かれている。
「……と書いてあるように、この学園は午後6時に全ての施設に鍵をかけるようになっている。それまでに生徒は帰宅するように」
担任の話を聞きながらプリントに目を通していると、前の席に座っている二人の男子が小さな声で話し始める。
「って言っているけれどさ、それってこの学園から死者が出ているからだろ?」
「ちげえよ、生徒が行方不明になっているだけだろ? まだ見つかってないって話だしさ」
「でも結構経つんだろ? 生きている可能性は少ないと見て、警察もそろそろ死体探しに乗り出しているんじゃないか?」
「行方不明っていうけれどさ、駆け落ちとか蒸発とかそういうのなんじゃないの? それを大きくして目立ちたいだけなんだろうさ」
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