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いくつかのドアがある研究室。
それぞれの発明品や機材を置く倉庫の部屋から
点検するためだけに用意されたモニター室。
どれも古ぼけたドアであるが、白い部屋の脇に真新しい鉄のドアがあった。
どうやら暗号式自動ドアらしい。
「この部屋って…おじいさんたちが閉じ込もってたとこ?」
ひかるは自動ドアに手をかけ開けようとするがやはり暗号を解かないといけないらしい。
「うーん…」
首を捻りながら手を組んで唸っていると、ドアに設置されている液晶の文字が目に入った。
「英語?」
め、めろん?
いや違うだろと自分に突っ込みを入れて再度読み直す。
「………メロウ…」
読んだあと、ピンときた。
それは伝説で語られる妖精の名前。
美しい人魚姫を、昔の人はメロウと呼んだ。
なるほど、と納得するひかるは液晶に手を翳す。
すると 急に小さな音を立てて扉が開いたのだ。
「あ、あれれ!?」
ひかるは突然のことに口を開ける。
祖父の血筋だと機械が認識したのか
はたまた故障なのか
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