0人が本棚に入れています
本棚に追加
「いいよ。それよりホラ、落としてる。」
足元の資料を拾うと、マユミの手の中の資料に重ねた。
「本当に…すみません。」
「マユミちゃんだから許すよ。」
軽く笑ってみせると安心したようにまた小さく頭を下げた。
「マユミちゃんは部活にきたのー?」
鞄に荷物を詰めながら尋ねると、はいとマユミが答えた。
「もう少しで文化祭ですし…ってあれ?帰っちゃうんですか?」
鞄を背負うひかるに、マユミは困ったような表情になる。
「うん、今日はちょっと寄るとこあって…悪いけど。」
「あー…先輩方も忙しいですよね。もう少しで受験ですし…その前に部活も廃部しちゃいますよぅ。」
思い詰めるマユミはいつものことだが、少し罪悪感を感じてしまう。
「明日は来るから!ね!」
みんな連れてさ、と言うとマユミは頷いて手を振った。
最初のコメントを投稿しよう!