第一章

8/21
前へ
/41ページ
次へ
学校から歩いて20分程度の場所に、大きな白い建物がある。 白いといっても全面ガラス張りのスモークマジックガラス。 道端に並んだ人工芝や人工林。 移動する機械、 並ぶコードの数字に管。 機械ロボットの模型からミニロボットカーまで展示されている、いわゆる「機械ロボットの展示館」 ここで気に入ったロボットやカーや電子機器は購入できるし、発明、研究もできる。 何より発明家が揃っているという点ではマニアや商工業者、その手の仕事関係の人では有名な場所である。 そして 「平成」生まれの祖父がここで働いているのだ。 「おじいさんっ」 螺旋階段を抜け、研究室の休憩所に入ると慣れたようにテーブル脇に鞄を置いて祖父を呼んだ。 しかしなかなか出てこない。 研究室に閉じ込もってるらしい。 「おじいーさんっ!!」 大声を上げると、古びたドアが開いた。 「おぉ、ひかる。」 やっと出てきた祖父の姿はおじいさんとは言えない程、まだ若い姿である。 しかも長身でガタイもいい。 本当に歳をとったおじいさんなのかと考えるが、医療技術が発達した今になっては特に不思議に思うことではない。 「お疲れ様。はいこれ。」
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加