Deep Blue ~青の溜息~

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  僕は、思案する。 あの時感じた、体中を走り抜ける電流のような、刺激的で魅力的な感動は一体何だったのだろうか、と僕は今日1日そんな事を考えていた。 僕にとって、あれは確かに奇跡のような出来事で僕の努力の軌跡でもあり、その全てが漸く報われた瞬間ですらあり、だからこそ僕はあれ程までに感動に酔いしれる事が出来たのだろうが、だが、しかし、それでも、 今となっては、とても冷めた目で、半ば馬鹿にしたような目で、それを見てしまっている自分がいた。それが現状の僕の悩みであり、考え事であり、関心事でもある。 いつだって、達成感や満足感のあとに残るのは、胸にぽっかりと穴が開いてしまったような、そんな喪失感だけなのだ。そして人はその穴を埋めようと、また何かを欲する。 つまりは、人は飽くなき欲望と共生する形でしか生存できないのだ、というのが、先日やっとの思いでFFでセフィ○スを撃破した僕の、丸1日悩んで辿り着いた結論であった。 誰かに問われる前に先に答えておこう。 授業中に真面目な顔をしながらこんな事を考えている僕は至って普通の、高校二年生だ。 名前は、青桐 薺。 なずな、なんて女の子みたいな名前をしているが僕はれっきとした男の子で、だから勿論女の子には興味津々なのだが、誠に残念な事に浮ついた話など僕のもとには一切舞い降りて来る事はなく、寂しい生活を送る事を余儀なくされている、まぁ所謂『普通の』高校二年生である。 さて、そんな僕にとって学校生活における楽しみは、大きく3つ。 1つ、食堂の売店で売ってるプレミアムコロッケパンを食べる事。 2つ、教室で友達とどうでもいい他愛のない下らない話をする事。 そして最後が、 『部活』である。  
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