19人が本棚に入れています
本棚に追加
「それにしても馬鹿な愚民を相手にしたわ。別にあんただけが不幸ってわけじゃないのに、ムカつく顔してたわね」
「は………い」
召し使いは反応に困ってしまった。それが面白くないのかリンはわざと音を出してカップを置いた。
「ねぇ…レンは私の味方?」
「もちろん味方です」
「どんな事があっても?」
「はい……」
「ああ!レンならそう言ってくれると信じてたわ!!大好きよ!!」
「僕も…です」
リンは苦しげに答えるレンの首元に手を回して抱き着いた。レンはそっと背中に手を回した。
「あら、もうこんな時間?もっと一緒におしゃべりしたかったけど…残念ね。また話しましょう。レン」
「かしこまりました、リン」
リンは椅子から降りるとドアの方へ向かった。これからお稽古や勉強がある。レンはただ後ろから見守る役目だ。王女リンを守り通し、世話をし、つきっきりでいて王女が心を許す存在。
それが召し使いレンの一生の役目だ。
おそらく一生変わることはないだろう。
最初のコメントを投稿しよう!