祝いの言葉と呪いの言葉

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「で?なんで俺なんだぁ~」 「うるさいわね、少しは働きなさい」 「働いている、働き過ぎで死にそうだ」 「ルカの気持ちが分かるわ…」 助っ人に選んだのは―――がくぽだった。そこらの使用人達には頼みたくないしルカに頼めば説教の嵐になるのは目に見えていたのでがくぽにした。というよりがくぽしかいなかった。 「はぁ…やっと終わった」 「最終的にクローゼットに詰めてたけどな」 「結果オーライよ」 がくぽは乱れた服を整えた。リンは椅子に深く座る。リンは口を開いた。彼女にとって゛本題゛だ。 「ねぇがくぽ?」 「なんだぁ?」 「頼みがあるの」 言葉が同じでも雰囲気、声、態度でどんな内容なのか分かってしまう。 がくぽは軽い口調であるがその手を黒く染め上げたことだってある。そして今もリンの命令ひとつで黒くなれる。 「…なんだ」 少女は 「緑のあいつ…いえ」 無邪気そうに 「緑の国を滅ぼしなさい」 笑った。
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