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「なんで…ここにいるの?」
「――――ッそれは!?」
言えない。言えるわけが無かった。がくぽは言葉が詰まりギリッと奥歯を噛み締めた。
ミクは思い出したように口を開いた。
「まさかリンが「違う!!王女は…リンは…関係無い」
即座に否定した。それはむしろ疑わしいものだ。がくぽがうまく仕事が出来ないのはこういうところだろう。ルカから言わせれば馬鹿である。
「………そう、リンじゃないのね。安心わ…あれ?何かしらこれ?」
そう言ってミクは自分の頬をつたるものを拭った。しかしそれは止まる事無く流れ出る。
「―――ミク俺はお前を」
そこまで言うとがくぽは引き金に人差し指をかけた。
「殺さなくちゃならない」
「なぜ?知ることぐらいは許されるはずよ」
「それは言えない。言うなら……その人の暇つぶしだ」
「その人は…知り合いに似ているわ。かわいいのよ?その子」
「そうか…」
ミクは受け入れたように立ち尽くしていた。受け入れるしか無いのだから。ミクはもう涙も無い様子だ。これでがくぽが引き金を引けばミクは
死ぬだろう。
「なんとなくね、分かってたのよ?それに約束破ったのは私だし…もういいの。こんな指輪だってただのがらくた同然よ…」
キラリと指輪のダイヤモンドがきらめいた。がくぽは引き金に力を込めた。そして―――
「……ろ」
「……え?」
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