緑に似合うは赤

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「逃げろ!早く!!誰もいないうちに早く!!」 「………え?」 ミクは耳を疑った。それは当たり前だった。今まさに自分を殺そうとしている人間が自分に向かって逃げろ……? 「あなた何言ってるの?殺さなくちゃいけないんじゃないの?」 「そうだ!!俺はお前を殺さなくちゃならない!!けど…だけど!!俺は…俺はっ… 昔からの友人を殺せない…殺したくないんだぁぁあぁ!!」 そう言ったがくぽの目からは一滴の涙がこぼれ落ちた。それをスイッチにダムが崩壊したように泣き始めた。 「が…くぽ」 「俺はそうだ、あの人が…リンが笑えばよかったんだ。それなのにこんなによじれて…馬鹿みたいだな、馬鹿だな…本当に…馬鹿野郎だ。不幸の上の幸せなんて不幸と一緒だよな…」 がくぽは銃を持っていた右腕をむなしく降ろした。涙は止まり所を知らないようだ。 「―――あなたは馬鹿なんかじゃないわ、ちゃんと分かっているじゃない」 「もう…手遅れだ」 「……馬鹿は私よ、好きでもないのにカイトと結婚して―――何考えてたのかしら」 「は?」 聞いたことも無いことを聞いて驚きを隠せずうつむいていた顔を上げた。ミクの顔は自嘲じみた笑みだった。ミクはがくぽとくっつきそうになるまでゆっくりと歩いた。 「どうした…?」 「叶わなかったなぁ…お願い」 「願い?何の事だ!?」 「もう私のはいいから―――皆のは叶ってね?」 「さっきから何を言ってる!?」 ミクはがくぽの右腕を無理矢理上げた。 「何して――」 「残念…かなぁ」 ―――ダンッ
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