悪の国

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「ふーん税を減らす…ねぇ」 「はっはい」 赤髪の女が来ていた。いつものように門前払いかと思ったら通し、しかも王座の前まで連れて来た。おそらく気まぐれだろう…そんな事を考えていたら優しげな声が聞こえた。 「あなた村長の娘よね?村長はどうしたの?」 「父は病にかかって…薬が必要なんですけどお金が足りなくて…このままでは治らないだろうと…」 「あらあら、ひどい医者ねぇ~父親が病だっていうのに手さえ差し延べないなんて」 クスクス薄く笑っている。赤髪の女は悔しそうに下唇を噛んでいた。 「――――お願いします!!このままでは父は死んでしまいます!!税を軽く…いや、先送りでもいいんです!!どうか、父を…」 女は頭を床につけた。手もつけた。土下座というものだろう。 「ねぇ…そんなに頭をさげないで?床なんて美味しくないわよ?」 「え…」 「ほら顔を上げて…ね?」 かなり優しい声だった。それで安心したのかゆっくりと顔上げた。それがいけなかった。
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