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「確か…この階段よね」
夜中二、三時といったところだ。ルカが螺旋階段を静かに降りて行った。
「この城本当に複雑ね、こんなふうに造るから私が新米メイド達に迷わないように教えなきゃならないんだから…いい迷惑よ」
少し怒り口調だがこれがいつものルカだった。
階段を降りきると薄暗い廊下が続いていた。廊下にはどこかの絵画や鎧がろうそくの光で不気味に照らされていた。
数十メートルほど歩くと警備員達と門が見えた。門の向こう側は全く見えなく鍵がたくさん付けられていた。ルカは門へ歩いてた。
「!?何者だ!」
「こんな時間に何の用だ!?」
「通して、王女からの命令よ」
「あなたはルカ様…?分かりました。通しましょう…」
゛王女からの命令゛なんて嘘だった。こんな簡単に騙されてしまったのは゛王女゛という言葉の威力やルカのような王女と昔からいる存在のせいだろう。こんな簡単に騙され大丈夫か不安になってくるが………。
「さてと…」
ルカは持っていたバスケットを持ち直した。
「行くか………本当に馬鹿なんだから」
バスケットからは美味しそうな臭いがしていた。
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