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「いっだぁぁあぁ」
「あっははははは」
王女はハイヒールで女の顔を踏んだ。痛みで女の顔が歪む。城の者は皆顔を背けた。私もその中の一人だった。
「馬っ鹿じゃないのぉ!?この私があんたみたいな愚民に耳を貸すとでも思ったのぉ?おめでたい頭だわ」
「――――お止めください!!王女!!」
一人の少年が王女の左手掴んだ。王女ははっとなってその手を振り払い少年の頬を叩いた。
パチンッ
音が響く。
「ただの召し使いが…調子に乗るんじゃないわよ」
「すみませんでした…」
少年はしてはいけない事をした。一般的になら当たり前の行為だろう。悪い事をした者にはそれと同等な罰が必要だ。しかし、それはあくまでも一般的な国での事。ここ黄の国ではそんな行為を王女にするのは自殺行為に等しい。
「その女つまみ出して、残念だけど今税を減らすわけにはいかないの。大切なパーティーの費用が全然足りなくて…私計算苦手なの…ごめんなさいね」
王女は召し使いを連れて部屋に戻った。女が何か叫んでいたが王女には届かない――――
「大丈夫さ、王女様はすぐに機嫌を良くするさ」
紫の髪をした男が私の肩を叩いた。同時にメイド達にどよめきが走った。
「…大臣、少しよろしいですか?王女様の件についてですが?」
「ああ、構わないが…」
そう言うとピンクの髪をしたメイドはつかつかと音を立てながら廊下を歩いた。その後ろを大臣が歩く。
「ねぇルカさんって凄い人なの?」
「普通に大臣と話してたよね?」
「やっぱり勤めてる時間の差なのかなぁ~」
「いいな~長く勤めるだけで貴族とお近づき?」
メイド達は、うらやましい~と口を揃えるのだった。
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