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「この国も…いつか終りがくるのかしらね」
がくぽは思ってもみないような内容に驚き思わず振り返った。ルカはがくぽのほうを見ることはなくただ窓の外をぼんやり見ていた。窓から入ってくる風にピンクの髪が揺れた。
「何を言っているんだ…?」
「そのままの意味よ。このままでは国は滅びる…近いうちにね」
「……王女のことか?」
「あれからもう二年よ!?あんたは待ってればすぐに戻るって言ってたけど……もう無理よ限界でしょ?あんたもレンも―――あたしも」
「大丈夫だろう。前に比べれば我が儘もずいぶん減ったし」
ルカはキッとがくぽを睨むとずんずんこっちに近づきぶつかりそうになるまで来た。下から睨んでいるのに迫力は凄まじいものだった。
「もう……いや」
その目は涙目ぐんでいた。がくぽはただ頭に手を乗せて撫でるしかなかった。
「大丈夫…すぐに終わる」
その声が一週間後には消えるなど誰も思っていなかったけど
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