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人生をリセット…
旦那とは倦怠期でHだって年に数える程度で終わってるし、思春期の息子達は親をうざったがってろくに口も聞かずに部屋に直行するし。
このまま女としても母親としても埋もれたままペットだけを生き甲斐にして生きていくなんて私には耐えられない…
「私、人生をやり直したい」
迷いを吹っ切り真っ直ぐに見上げた優子に、悪魔はニヤリと口許を歪ませると手の平から一本のナイフを取り出した。
「いいだろう、ならば血の契約を結べ
お前の願いと引き替えに、おまえの生きる人生の欲を我の糧とする
自ら命を絶った場合には、その魂は我の餌になり二度と転生はかなわぬ無になるが、それでも契約をするか?」
「はい
ようは私次第でしょ。私は地に堕ちる生き方はしません」
悪魔は優子の手の先にナイフの刃を当てると、小さく傷をつけて赤い雫を滲ませた。
そして自分の指先にも同様に傷をつけて赤い雫を滴らせるとお互いの口の中にその指を滑り込ませた。
人間と変わらない赤いその液体は、不思議な甘味をさせて優子の喉に落ちていき、これで血の契約は結ばれた。
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