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「下見がてらに今日遊びにこいよ
お勧めの新作も入ってるから借りてけば?」
そういや映画なんてずっと見てないな
「ん…んじゃ夜に顔出す」
「おう、じゃな」
爽やかな笑顔で手を振った澤田は、腕にべったりと絡み付いた彼女にもまたねと笑みを向けて去っていった。
「優君、私も見たい映画があるんだ。
一緒に行ってもいい?」
「あ…うん」
悪魔の力によってイケメン大学生として生まれ変わった優には、1年付き合った恋人がいた。もちろん体のお付き合いも込みの…である。
今のところ試験やらなんやらで忙しく、二人きりになる機会もない為二人の間には何もない。意図的に避けていたせいもあるのだがこれはまずい展開になりつつあった。
家にあげておいて何もナシなんて相手にも失礼だよね?仮にも彼女なんだし
………しかし
そんなに足出して、女の子なのに冷えたらどうすんのよ
思わず優子目線で眺めた事に気付いた優はハッと青ざめた。
男として見れるようにならなきゃこの世界で生きていけないのに、何母親みたいな事言ってんだ
あきらめない!
勇気を出せ!
キスくらいなら勢いで出来そうだし、その流れで頑張れ優!
無邪気に見上げる彼女に、こめかみを押さえながら優は極上の笑みを返した。
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