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どこをどう歩いたのかも分からないまま、気付けば澤田のアパートに連れ込まれベッドの中に横たわっていた。
一人になるのが辛くて縋りたいと思った
なんの躊躇もなく零れ落ちた涙に口づけて舐め取られるれた優は、心ごと舐めとられていたのかもしれない。
女だった時でさえしてもらった事のないその甘い行動に、傷ついていた心が呆気なく癒されていく。
近づく唇をダメだと手の平で押しやるも、酒の入った体に大して力が出せるはずもなく、濃厚なキスを仕掛けられた優の体は抵抗を辞め、陥落していく。
「弱ってるとこに付け込んでしまうけど、今日はこのまま俺に抱かれな
…ごめんな」
波間に漂うようなふわふわとした酩酊感に身を委ねていた優の耳に、ごめんなと呟いた澤田の切なそうな声がやけに響いた。
モテるくせに特定の彼女を作らない理由が、この声音に関係するんじゃないか
そんな考えが一瞬頭をよぎるが、澤田の手によって与えられる快楽に既に思考を放棄していた。
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