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耳を舐でる舌に瞳が潤んだ。
人間なのだから、男であろうが感じるのは当たり前なのではあるが、男イコール攻めの世の中
まさか愛撫を施されて喘ぐなんて想像もしていなかった
「やめ…」
「大丈夫、しっかり反応してるから」
そう言われて握り込まれてしまえば、もう反論する事も否定する事も出来なくなる
「傷つけないし優しくするから、そのまま目つぶっておけよ」
そんな台詞をはきながら口端を上げた澤田の瞳が、揺らいでいた事に優は気づいた。
澤田………
もしかしたらこの友人は、辛い恋をしているのかもしれない。
もう傷の舐めあいだろうとかまわないと思った。
刹那的かもしれないけど、今は溺れて忘れてしまいたい。たぶん傷を負ってるだろう澤田も同じだ…
優はその腕を背中に回してそっと目をつぶった。
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