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「お前さ、淳と何かあったろ?」
「……え!?」
くたりとシーツに身体を預けたまま朦朧としていると、頭を撫でた澤田が見透かすように優を見た。
「言いたくなきゃ聞かないし言わなくていい
ただ、始めて会わせた時お前淳を見て固まってたし、さっきも淳見て動揺したんだろ?
だから何かあんのかとは思ってた。ボロボロ泣いてたし」
「それは…奈緒に振られたせいで」
「違うだろ?
お前あの子に恋愛感情持ってなかったろ」
「…………」
「いいよ言わなくても
俺も人の事言えないし
たださ、お前には後悔とかしてほしくないから自分に正直になれって言いたくてさ」
「……澤田は後悔してんだ?」
「まあな、つい人肌が恋しくなってお前に手を出した俺が説教する事じゃないけどな」
そう言った澤田はニヤリとすると優の尻を撫であげた。
「…っ!!
さっ澤田ってゲイなのか」
「あー、正確にはバイな
どっちもイケる人
お前も今日からどっちもイケる人になっちまったんだし、ご希望とあらばご教授するぜ」
「なっ!!」
なんて事言うんだこいつは!!
心は女、体は男というおかしな状況で同性同士という自覚がまるでなかった優は、改めて自分が男だった事を思い出した。
赤い顔で睨みつけても全く動じない澤田は、頬を引き攣せた優の腰を引き寄せると、本格的に乗り上げる。
はぁ……
もうしちゃったもんは変わらないんだし
いっか
気が付けば、優もまた澤田の差し出した口づけに答え、その身体を委ねていた。
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