記憶のカケラ

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   *   *   * 「ごほっ… さ…最悪だ!!」 連日の無理が祟ったのか、暖かい陽気で元気が漲るこの時期に、優は感冒症にかかり頭から布団を被っていた。 「喉渇いたのに身体痛くて動けないし…」 優子の時は滅多に風邪なんてひかなかったのに… いくらイケメンでもこんなヒョロイ身体じゃ風邪もひくよまったく 現代っ子らしく線の細い自分の身体を眺めた優は、ため息が零れた。 高熱と怠さからもう2日はまともに食事もとっておらず、一人暮らしで孤独死する老人の気持ちを身を持って実感してる気すらしていた。 .
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