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しばらく行くと、4階建ての白い建物の前で足を止めた。 窓はあるがところどころ割れ、薄気味悪い暗さとカビ臭さが漂い、持ち主が誰のかもわからない建物だ。 この通りにはそんなものばかりある。 昔はどうだったか知らないが、今は惨憺たる状況だ。 男はじっとその建物を見つめた。 何かを探るようなその瞳は、次第に黒色でなくなった。 その瞬間、背後に気配を感じ、男は視線を逸らした。 来た方向を見ると、五、六人の男たちがこちらをニヤニヤと見ていた。 真ん中の男は派手な色のシャツを着て、アクセサリーをジャラジャラとつけていた。きっとリーダーだろう。 あとの男は黒いタンクトップ、ダメージジーンズ、女の絵が描かれたTシャツ、スウェットなど、説明するに足らない服装だった。 どこにでもいるようなチンピラだ。 「おーい、こんな寂れた通りで何してんだ。」 真ん中の男が笑いながら大声で言った。 俺に敵う者はいないとでも言いたげに、ポケットに手を突っ込み、胸を張って自分を主張していた。 他の男たちはそれぞれに武器を持っていた。 金属バッドや金属ポール、スタンガン、どんなバカでも察しやすい、彼らはカップルを襲い、金と女を奪うことを生業としていた。 「聞こえてるか?もしかしてビビって口聞けないのか?」 その言葉に周りの男がせせら笑った。 「おい、腰抜け男!なんならその女預かるぞ!逃げるのに邪魔だろ!」 彼らの凄いところは、人を挑発するのが非常に上手いところだ。 その挑発に乗ったって、5人もいたら普通の男は勝てない。
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