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サキはまず階数ボタンを押し、次に非常ボタンを押した。 すると、古い機械音と共にエレベーターが下へ動き出した。 階数ボタンをどの順番で押すのかはセキュリティ上教えることはできないが、1から6の全てを押すことは確かである。 20秒ほど下がったところで、エレベーターは止まる。 開いた扉の先には、外見からは予想もつかない、真っ白な光に包まれた空間があった。 天井も壁も床も白で統一されている。 眩しさに少し目をくらませながら、サキは左手を壁にかざした。 軽快な電子音と同時に真上、真横、背面から出てくる赤い光線。 頭の先から足の先までそれを浴び、セキュリティチェックを行う。 全身の骨格、血管を元に本人かどうかを照合するのである。 生体反応がないと作動しない仕組みになっており、死体を持ってきても通ることはできない。 また、2人以上いても作動しないので、組織の人間を脅して無理矢理通ろうとしても不可能である。 その上、壁は一面強化ガラスでできており、爆発物を投げ込んで壊そうとしても無駄である。
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