156人が本棚に入れています
本棚に追加
/174ページ
加えてもう一つチェックするのが、リボルバーなどの武器である。
サキは右ポケットに入っているリボルバーを取り出して、右の壁にあいている四角い穴にそれを置いた。
リボルバーの上を赤いラインが通り、またもや電子音が鳴る。
殺し屋が各自持っている武器にはICチップが埋め込まれていて、そのチップに登録された人物と全身照合の人物が同じならば扉は開かれる。
機械仕掛のセキュリティなど完全に信じられるものではないが、部外者の侵入の時間稼ぎにはなるであろう。
「本人確認完了。時刻17:16。おかえりNo.002。」
頭上から女の声が聞こえ、入り口とは反対の扉が開いた。
ちなみに、部外者が侵入しようとするとどうなるか、については、レーザーで追い払われるとかアームが出てきて追い出されるとか噂にはいろいろ聞くが、本当のことはわからない。
「ただいま、アキ。」
アキと呼ばれた女の声が同じ所から聞こえた。
「お疲れ様。報告時間は17:30です。」
「…はいよ。」
「憂鬱?」
「まあ、ね。」
「…そう。頑張って。」
アキという名はついているが、実際に会ったことはなく、人間とも限らない。
報告という言葉に少しうんざりしながらサキは溜め息をついた。
最初のコメントを投稿しよう!