5.

7/13

156人が本棚に入れています
本棚に追加
/174ページ
「てかお前、なんで俺呼んだの?」 カンザキはタバコを灰皿で消しながら聞いた。 「別に?見かけたから。それだけ」 「あっそ。」 サキの興味のなさそうな顔に、彼もツンと答える。 「ボスに連絡は?」 「あ、そうだった。」 「だからお前は1番になれない。」 「うるさいな。」 サキはカンザキと別れ、早足で道を歩いた。 カンカンと靴音が響いて、次第に他には何も聞こえなくなった。 そして一つの扉の前に立つ。 この組織の奥にひっそりとある部屋だ。 深呼吸をして、身なりを整える。 サキはその扉をまっすぐ見つめた。 仕事の顔、冷たい目線。 コンコン 「入れ。」 ノックの後しばらくして部屋の中から男の声が聞こえてきた。 ドアノブを回し、部屋に入る。 「失礼しま…す。」
/174ページ

最初のコメントを投稿しよう!

156人が本棚に入れています
本棚に追加