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バタンと扉を閉める音が妙に響いた。 サキが入った部屋には本や書類が床から天井まで詰まった本棚が一つと、散らかった机が一つ。 あとは何もないコンクリートむき出しの殺風景な所だった。 そしてその机の前に少年が1人サキに背を向けて立っていた。 新人か…なんかしでかしたのかな… 「よぉ、サキ。」 いきなり声をかけられて思わず背筋が伸びる。 「ただいま戻りました…ボス。」 少年がゆっくりと振り向いてサキの方を見た。 サキは少年には目を向けずまっすぐ前を見た。 視線がぶつかったのは椅子に座っている1人の男。 グレーのスーツにゆるめられたネクタイ、そして襟足が長めの黒い髪。 机に頬杖をつきながら、切れ長の目でサキをじっと見つめている。 彼こそがここ「ERASE」の“ボス”である。 若干25歳にしてボスの位に就いた彼は、世界中の殺し屋の中でもトップを競うほどの実力を持っている、と噂されている。
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