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アリヤが出ていった後、部屋には重たい空気がはりつめた。
コンコン
長い沈黙の後、ノックの音が響いた。
「…なんだ?」
ボスが資料を見ながら答える。
「失礼します。」
入って来たのは同じく黒スーツの男。
「ボス、確認をお願いいたします。」
ボスは渡された書類を受け取り、一通り見たあと無言で男に戻した。
「ありがとうございます。失礼いたします。」
男はそう言ったあと、深くお辞儀をした。
「待て。」
部屋を出ようと扉に向かっていた男は足を止めて振り向いた。
「なんでしょう?」
「この部屋には近付くなって皆に言っとけ。」
ボスは頬杖をつき、サキの方を見ながらその男に言った。
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