156人が本棚に入れています
本棚に追加
/174ページ
音楽がガンガン鳴り響く部屋の中、女の首に食らいつく細身の少年が1人。
ジュルという音のあと、彼は口を離した。
黒いドレスの女はそのまま床に倒れこんだ。
意識はないようでピクリともしない。
それを見て満足そうにニヤッと笑うと、少年は右手で口許を拭った。
「…ごちそうさま。」
よく見れば部屋のあちこちに女が倒れている。
青い髪の少年はソファに身を預けるように座ると上を向いて呟いた。
「今日は最高だ…」
その瞬間彼の瞳の色が青くなった。
ブツッという音がしたと同時に、ガンガン鳴り響いていた音楽がピタリと鳴り止む。
「食後は静かな方がいい…。」
そして何かの気配を感じて、チラッと右斜め前の壁を見た。
「はっ。いつからそこにいたんだ?」
彼の視線の先にいたのは黒いコートを着た人間だった。
その人間は何時間か前、金髪男を吹っ飛ばし、よこやまはるかをホテルに連れ込んだ男だった。
最初のコメントを投稿しよう!