156人が本棚に入れています
本棚に追加
/174ページ
「お前が音楽消す前からだ。…ていうかマッド、お前やり過ぎじゃないか?」
マッドと呼ばれた少年は、得意気にニヤッと笑った。
「昔はお前もやってたんだろ、ヘル。」
「やってねーよ、バーカ。」
ヘルはムスッとした口調でマッドを軽蔑するように言った。
「へぇ。じゃあ教えてやるよ。キャバクラっていうのはな、天国だぜ?まさに女パラダイス。血吸い放題。」
マッドは腕を広げ周りを見渡しながら言った。
「俺はそういうのには興味ねぇよ。」
「んだよ、つれねーなぁ。お前何、舌が肥えちゃったの?」
ヘルは呆れたようにマッドから視線を外した。
「そういやマッド、今なんか仕事してるって聞いたけど何してんだ?」
彼はよくぞ聞いてくれましたという目をしながら口を開いた。
「楽しい仕事だよ。俺結構上の奴に認められてんだぜ?」
「へぇ。だらしないお前が?」
「うるせー。」
そう言った後、マッドはソファから立ち上がり伸びをした。
一つ欠伸をした後ヘルに向かって眠そうにしゃべった。
「ま、お前も早くあの女のとこに行ってやれよ。今日も待ってるぜ、きっと。」
ククッと笑いながら彼は部屋から出ていった。
最初のコメントを投稿しよう!