6.

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でも、彼女は言ったんだ。 じっと綺麗な瞳で俺を見て、 あなたの目って綺麗ね。 って。 俺は動揺した。 すごく強い瞳で見つめられたから。 そんなこと言わなきゃよかったのに。 そのままやめてよって振り払えばよかったのに。 なんで見知らぬ男に振り向いて わざわざ誘うような言葉を俺に言ったんだろう。 いてもたってもいられなくなって、彼女の腕を引っ張ってすぐ近くのホテルに入った。 「へぇ。ラブホってこんななんだ。」 彼女は周りを見渡して言った。 「入ったことないのか?」 「うん。こういうのとは無縁の生活を押し付けられてるからね。」 彼女は振り返って、中途半端なとこに突っ立っている俺に近付いてきた。 「あなたはこういうとこ慣れてるんでしょ?」 そう言って俺にどんどん顔を近付けてきた。 「駄目だ。」 そう言って彼女の肩を押す。 危ない…もう少しで取り返しがつかなくなるところだった。 何をやってるんだ俺は。 不思議そうな顔をしている彼女に、俺は言った。 「あんまり顔は近づけないでくれ。」
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