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海里はカーテンを閉めて、俺の隣りに座った。 「あなた、病んでるのね。」 は? 彼女はまた俺の目をじっと見ながら言った。 「あなたはこういう毎日にうんざりしてるのよ。」 「目がそう言ってるわ。」 俺は彼女から目をそらした。 すると彼女は俺の肩に手を置いて耳元で静かに囁いた。 「そのうんざりした日常から抜け出したいと思わないの?」 俺は間近にある彼女の目を見つめ返した。 またさっきみたいな挑発的な目。 きつくない爽やかな香水の香りが鼻についた。 そして最後に追い討ちをかけるように彼女は俺に言った。 「私が… 解放してあげる。」 背筋が凍るほど恐ろしく、そして艶のある声だった。 俺はそう言って離れた彼女の後頭部に手をかけ、 まるで催眠術にかけられたかのように彼女と契約を交わした。
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