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サキは廊下を覗いて音のした方へ歩き出した。
靴音とともにまた、今度は少し大きく弾けた聞こえてきた。
廊下をまっすぐ進み、彼女の足はガラス張りの扉の前で止まった。
『修練場』
リボルバーの訓練や、筋トレができる場所である。
きっとさっきから聞こえてくるのは射撃の音だろう。
朝早くから練習しているといえば…
サキは二重扉を開けて中に入った。
黒塗りの壁に的が5つ付いていて、奥から2番目の所に誰か立っていた。
仕切りがあるので顔は見えないが、彼女は誰なのかがすぐにわかった。
「カンザキさん。」
彼女の声にそこに立っていた人物が振り返った。
「おー、サキ。どうした?」
カンザキは彼女の顔をチラッと見てから言った。
ふと的に向けた銃口を下ろして彼女の顔をもう一回見た。
「お前…顔色悪くないか?」
そう言ってリボルバーと耳栓を置いてサキに近付いた。
「もしかして…また?」
サキは彼の目を見てうなずいた。
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