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「心配ねぇ…別に心配なんかしねーよ。」
彼はなげやりな口調で言った。
だがサキの表情は一切変わらない。
その言葉を予知していたかのようにふっと笑って言った。
「だろうな。そう言うと思った。」
彼女は立ち上がり、ふと呟いた。
「別にあんたに話したところで、解決するようなことじゃないからな。自分の問題だ。」
そう言って去ろうとしたサキの腕をリョウは掴んだ。
振り返ったサキの唇に自分の唇を乱暴に重ねた。
そしてそのまま壁に押し付ける。
サキは彼を押し退けようともがくが、どんどん深くなっていくそれに次第に力が抜けてくる。
一瞬足りとも唇を離さない彼に抵抗が出来ず、ただ時間だけが過ぎていく。
ふっと一瞬だけ口が離れた瞬間にサキは早口で言った。
「なんで、いつもこうなるの…?」
その言葉を飲み込むように彼はもう一度唇を重ねる。
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