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「終わったのか。後輩のお守りは。」
そう言いながらサキの肩に手を回す。
「まあねー。」
ため息混じりにそう言った彼女の顔を不思議そうに覗き込んだ。
「あいつさ、なんか変なんだよな。」
そう言って今日のアリヤとの出来事をカンザキに話した。
「へぇ。変な奴。」
「はぁ。でもリボルバーの腕はなかなかだよ。6発中3発真ん中当てたし。」
「すげーじゃん。ま、でも初っ端から6発全部真ん中に当てたサキとは程遠いな。」
サキの顔をニヤニヤしながら見た。
「あれは…まぐれだよ。」
「よく言うよ。練習でも一発も外さないくせに。」
「それは…」
そう言ってサキは黙り込む。
「それは?」
「…いや、なんでもない。」
サキは努めて明るく言った。
「なんだよ。」
カンザキはサキの肩を引いて歩く足を止めさせた。
「言えよ、気になるだろ。」
少しの沈黙の後、サキは口を開いた。
「…強いて言えば、あたしが天才だから…かな。」
「てめー、調子に乗んなよ。」
そう言ってサキの頭をぐしゃぐしゃと撫でる。
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