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ベッドから立ち上がって、洗面所に向う。 そして鏡の中の自分を見た。 「…こりゃやばいな。」 青ざめた顔…でもどこか猟奇的な表情。 血が欲しくてたまらない…そんな顔をしていた。 まったく血なんて飲みたくないのに、吸血鬼の本能により体は疼きだす。 洗面台の縁をぎゅっと握って必死に理性を保とうとするが、今にも瞳が赤くなりそうだ。 鏡の中に写っている自分が無性に腹立たしくなる。 家の物を破壊するわけにはいかない。 彼女に迷惑はかけられない。 でもなんとか自分を抑えないと、何をやらかすか自分でもわからない。 葛藤に苦しんでいるといきなりカタッと音がした。 「どうしたの?」 静かな空間に響いた彼女の声が脳内でこだまする。 ゆっくり振り返ると、入口に立っている彼女の姿が目に入った。 「!…具合でも悪いの?顔色悪……」 海里は言葉を途中で切った。 そして困ったような表情を浮かべた。
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