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「お前に会わせたい奴がいるんだ。
今夜12時にボスの部屋に来い。」
サキはベッドに寝転びながら、カンザキが昼間言っていたことを頭の中で思い出していた。
深夜12時まであと1時間。
しかもあいつの部屋……
「あの人に会うのか…嫌だな。」
立ち上がりながらはぁとため息をつく。
不意にサキは唇に手をやった。
感触を思い出してゾクッと震える。
「…ってこのフラッシュバックいらないだろ。」
思い出したくないことなのに脳内をぐるぐると回る。
「あぁーー。」
自暴自棄に髪をぐしゃぐしゃとかきむしった。
嫌なのに拒めない。
キスが上手いから…?
「いやいやいやいや。」
たとえ百歩譲って上手いとしても、嫌なものは嫌だ。
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