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ただ、逆らえないだけだ…
逆らうと何をされるかわからない。
考えただけでも吐き気がする。
「はぁ。」
コンコンとノックの音が聞こえた。
「誰。」
サキは扉の方を見ずに問い掛けた。
だが返事は返ってこない。
彼女はくるりと振り返って扉を勢いよく開けた。
その瞬間ガチャと音がして額に何か冷たいものが当たった。
サキは表情を変えずに目の前の人物を見る。
「げ。」
「げ。って顔はしてねーぞ、サキ。」
「何しに来たんですかカンザキさん。」
サキは一つも表情を変えずに冷ややかな目で彼を見た。
「いいねー、その目。拳銃突き付けられてるのに平気な顔してるし。それは何、相手が俺だから?」
カンザキは楽しそうに言った。
「別に相手が誰だろうと変わらないけど?」
「…あっそ。」
「何しに来たんだよ。」
サキはそう言うと向けられていたリボルバーを掴んで、銃口を横に向けた。
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