9.

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ただ、逆らえないだけだ… 逆らうと何をされるかわからない。 考えただけでも吐き気がする。 「はぁ。」 コンコンとノックの音が聞こえた。 「誰。」 サキは扉の方を見ずに問い掛けた。 だが返事は返ってこない。 彼女はくるりと振り返って扉を勢いよく開けた。 その瞬間ガチャと音がして額に何か冷たいものが当たった。 サキは表情を変えずに目の前の人物を見る。 「げ。」 「げ。って顔はしてねーぞ、サキ。」 「何しに来たんですかカンザキさん。」 サキは一つも表情を変えずに冷ややかな目で彼を見た。 「いいねー、その目。拳銃突き付けられてるのに平気な顔してるし。それは何、相手が俺だから?」 カンザキは楽しそうに言った。 「別に相手が誰だろうと変わらないけど?」 「…あっそ。」 「何しに来たんだよ。」 サキはそう言うと向けられていたリボルバーを掴んで、銃口を横に向けた。
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