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サキはリボルバーを握った左手に違和感を感じて少し表情を変えた。
「…なんでサイレンサーなんか付けてるの…?」
それを聞いてカンザキはニヤッと笑った。
「さすがサキさん。触っただけでわかるんだ。」
その笑みに少し違和感を感じて、サキはリボルバーから手を離した。
「それは賢明な判断とは言えねぇなぁ。」
彼はそう言うとまたリボルバーをサキの額に当てた。
「私を殺す気なの?」
彼はそうだよと言わんばかりに首を捻った。
「殺してどうするのさ。」
そう言いながら一歩ずつ後ろに下がる。
カンザキは距離が開かないようにサキにリボルバーを向けたまま部屋の中に入ってきた。
サキはさっきから開けっ放しのドアに目を向けた。
そして、ピタリと部屋の真ん中で止まった。
「おっと、覚悟でもした?」
いつもとは違う低い声音と殺気を灯した表情…
笑顔で近付いて、銃口を向ける。
ナンバー1の殺し屋はこうやって人を追い詰めるのか…
それでもサキはカンザキの目をじっと見ていた。
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