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適当なラブホテルに着くと、私と真様は互いに見つめ合い、エレベーターの中でキスをしました。
「ん…ぅ…ん」
私が思わず声を漏らすと、彼はくすりと笑います。
それがまた愛おしかった。
部屋に入ると、抱きつかれ、首筋にキスをされます。耳朶を舐めとられ、耳の穴に舌を入れられます。
私は思わず真様の首に腕を絡めました。
キスを強請ると激しいディープキスをしてくれます。
お洋服は互いに荒々しく脱いでいきます。
下着だけになると、胸を揉まれ、股の方にも手がいっています。
下着の上からクリトリスを刺激され、また声が漏れます。
「あ…ん、ぁ…ぅ」
「可愛い梨花」
またキスをされます。
私はぼうっと考えました。
──これは勿論遊びなんだろうな。それかやられるだけの人形とか。私はこんなに貴方のことが好きなのに。好きなのに。愛してるのに。全然分かってくれない。はぁ。何か虚しい。セックスしてるけどオナニーしてる気分だ。虚しい。けど私がこんなに誰かに執着するのも初めてだし、誰かを思うあまり虚しい気持ちになるのも初めてだ。こんなのも自分なんだ。女。女の自分。生物としての女の自分。私もちゃんと一般的な女だったのか。何か厭だな。というか女っていう字は何かエロい。よく見たらフェラチオしてるみたいな絵みたいなのに見えてくる。嗚呼。何か厭だ。私が女なことが厭だ。けど真様は好き。世界で一番好き。安易な言い方だけど、私は言葉をあまり知らないから好きでいいと思う訳で。けど真様はホイホイ他の女のとこにも行く訳で。私はそれを考えると病みます。考えただけで憂鬱になります。憂鬱です。憂鬱なのです。憂鬱って画数以上に多いな。憂鬱。憂鬱。憂鬱。憂鬱。憂鬱。鬱。うつ。欝。蔚。
「梨花…?上の空とは余裕だね?」
「やっ…ちがっ」
乳首を舐められます。
激しく吸われます。
不感症の如く私は何も感じませんが、感じた振りをします。それが真様にとって嬉しいことなら喜んで享受しますよ。
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