愛を食いちぎって。覚悟を決めたって。

5/10
36人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
適当なラブホテルに着くと、私と真様は互いに見つめ合い、エレベーターの中でキスをしました。 「ん…ぅ…ん」 私が思わず声を漏らすと、彼はくすりと笑います。 それがまた愛おしかった。 部屋に入ると、抱きつかれ、首筋にキスをされます。耳朶を舐めとられ、耳の穴に舌を入れられます。 私は思わず真様の首に腕を絡めました。 キスを強請ると激しいディープキスをしてくれます。 お洋服は互いに荒々しく脱いでいきます。 下着だけになると、胸を揉まれ、股の方にも手がいっています。 下着の上からクリトリスを刺激され、また声が漏れます。 「あ…ん、ぁ…ぅ」 「可愛い梨花」 またキスをされます。 私はぼうっと考えました。 ──これは勿論遊びなんだろうな。それかやられるだけの人形とか。私はこんなに貴方のことが好きなのに。好きなのに。愛してるのに。全然分かってくれない。はぁ。何か虚しい。セックスしてるけどオナニーしてる気分だ。虚しい。けど私がこんなに誰かに執着するのも初めてだし、誰かを思うあまり虚しい気持ちになるのも初めてだ。こんなのも自分なんだ。女。女の自分。生物としての女の自分。私もちゃんと一般的な女だったのか。何か厭だな。というか女っていう字は何かエロい。よく見たらフェラチオしてるみたいな絵みたいなのに見えてくる。嗚呼。何か厭だ。私が女なことが厭だ。けど真様は好き。世界で一番好き。安易な言い方だけど、私は言葉をあまり知らないから好きでいいと思う訳で。けど真様はホイホイ他の女のとこにも行く訳で。私はそれを考えると病みます。考えただけで憂鬱になります。憂鬱です。憂鬱なのです。憂鬱って画数以上に多いな。憂鬱。憂鬱。憂鬱。憂鬱。憂鬱。鬱。うつ。欝。蔚。 「梨花…?上の空とは余裕だね?」 「やっ…ちがっ」 乳首を舐められます。 激しく吸われます。 不感症の如く私は何も感じませんが、感じた振りをします。それが真様にとって嬉しいことなら喜んで享受しますよ。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!