言ノ葉焚キ【短編集】

汗ばかりか涙さえ流し、鼻水を啜り、この期に及んでなおキリキリと食い込む紐の感触に腹を立てる。　　　答を……答を！足が痺れ、胃液が逆流し、右斜め後ろにいるのは……誰だ？噛み締めるハサミは鉄の味。　　　答を……答を！違う、切れた唇に滲む血の味か。項に突き刺さる視線。僕は「何か」をせねばならない。だが、何を!? 　

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