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さて。
こんな俄には信じがたい状況で、どうにもおかしなことがひとつある。
僕は、先の尖った大きなハサミを、横様に銜えているのだ。
どうやら、これから断頭台に首を差しのべる死刑囚……というわけではないらしい。
だからといって、救いようのない状態であることに変わりはないのだが。
ふと気づくと、斜め右後ろから、何か小難しいことを問う声がする。
なるほど。
それに答えられれば、僕は解放されるというわけだ。
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